悪夢が待っていた。楽天のエース・則本昂大投手(23)が15日の巨人戦(コボスタ宮城)で完封勝利目前の9回に3失点。8回まで1安打無失点に抑えながら最後に突然乱れ、2―3で逆転負けを喫した。
9回を投げ切ったものの、今季4敗目を喫した則本は肩を落としながら「完投しても負けは負け」。コーチ陣も「今日の負けはこたえる」と帰路に就いた。
天国から地獄に落とされるようなエースの黒星。これに球団内からは「サッカー日本代表よりはマシじゃないか」という開き直りの発言が飛び出した。1―2でコートジボワールを相手に逆転負けしたサッカー日本代表のW杯初戦を引き合いにしたのだ。
「日本代表は最初の得点シーン以外、ずっと攻められっぱなしだった。ウチは8回が終わるまで押していた。ウチの方がお客さんを喜ばせている分だけマシかも」というのが球団関係者の弁。確かにサッカー日本代表は先制点を奪って前半を折り返しながらも苦しい場面が続き、後半に2点を奪い返されて涙をのんだ。とはいえ、いくら同じ逆転負けの展開だからといっても他競技の国際試合と比較すること自体、大きな無理がある。
痛恨の敗戦を何とか前向きに受け止めようとしているのだろうが、リーグ最下位に沈むチームの苦しい現状は不変のままだ。これで星野監督の休養後は5勝10敗となり、借金も今季最多の13にまで膨れ上がった。現実から目をそむけ、ただ強がりを見せているだけでは再浮上の目など見えてこない。
逆転負けの楽天「サッカー日本代表よりマシ」
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