<ソフトバンク4-3中日(12日)>ソフトバンクは12日、中日戦(ヤフオクドーム)に4―3でサヨナラ勝ちした。3点をリードされて迎えた9回、二死満塁のチャンスに中村、今宮の1、2番コンビが連続で適時二塁打し、4点を奪い劇的勝利を飾った。摂津が5安打を浴び2点を奪われ5回で降板と期待を裏切り、8回までは完全な負けペース。しかし土壇場で鷹打線が底力を見せ、白星をもぎ取った。

 3点差をつけられて迎えた9回。マウンドには竜の鉄人守護神・岩瀬が立っていた。それでも鷹打線は勝負を諦めなかった。まず先頭・長谷川が左前に運んで口火を切る。一死後、鶴岡が中前打。本多は三ゴロも代打・江川が四球を選び二死満塁。ここで若鷹の代表・中村が適時二塁打し2点を返す。これで鷹は完全に押せ押せムード。対するベテラン岩瀬は顔面蒼白。最後は今宮が左中間を破る二塁打で2者が生還。ぎりぎりの土壇場から見事に盛り返し、交流戦逆転Vへ望みをつなぐ大きな1勝をつかんだ。

 8回までは投打ともに苦しい試合展開だった。特に先発の摂津は6四球と制球に苦しみ、2回にエルナンデスの犠飛で先制を許すと5回には平田に適時打され2失点。結局5回でマウンドを降りた。右肩の筋疲労からようやく復帰し迎えた2戦目。前回6月4日の巨人戦(ヤフオクドーム)では白星こそ手にしたものの、5回を5安打4失点と本来の投球ではなかった。それから中7日あけての登板。それでも結果を出せず「四球が多かったし、球数も多くて…。攻撃のリズムをつくれなかったので申し訳ない」と悔やんだ。

 ある評論家からスポーツ紙を通して4日の投球内容を厳しく批判された。日頃から新聞記事をチェックしている摂津は「どっかの評論家は再調整が必要って書いてましたけど。今に見てろって感じですね」と“リベンジ宣言”していたが、勝ち星を手にできず、自軍を除く11球団勝利の達成も逃した。いつもなら活発に打ちまくる打線も、7回までは初物・大野の前にまったくふるわなかった。初回こそ今宮、柳田の若鷹コンビの連続安打で一死二、三塁のチャンスをつくったものの、李大浩は遊直。柳田が一塁に間に合わず併殺。「ツーシームは厄介だし真っすぐもキレがある。ハマったらいいピッチングをされてしまう」(藤本打撃コーチ)と警戒していた大野に手玉に取られた。

 それでも最後は打線の勢いで劣勢を跳ね返し、逆転サヨナラ勝ちという最高の形で今カードを終えた。この勢いで交流戦連覇を成し遂げる。