オリックスの西勇輝投手(23)が11日のDeNA戦(京セラドーム)に先発し、6回を4安打1失点に抑えて9勝目をマークした。開幕8戦8勝の後に連敗したが、仕切り直しの1勝でチームを5連勝に導いた。「中継ぎの人を休ませることができなかった」と反省しつつ「最少失点に抑えることができてよかった。これからも自分の持ち味である粘りの投球を続けたい」と笑顔で話した。

 この日もマウンド上でつぶやいた。「きっと大丈夫…」。帽子のつばの裏にも書いている西の好きな言葉だ。ファンにもすっかりおなじみのワードとあって、球団がTシャツにして販売しているが、この「きっと大丈夫」が他のナインにも広まっている。

「これは西だけの言葉じゃないですよ。野手だって、打席に入る時に自分を信じる意味で“大丈夫だ”と言い聞かせる。すごく大事なこと」とは、ある野手。別の野手は「自分を信じるのはもちろんだけど、シーズンが正念場を迎えてくると運も左右してくる。自分だけではどうしようもない究極の場面で大切になってくる言葉です。これから、もっと高いステージに行かないといけない中で、チーム全体の言葉になってくると思う」というほどだ。

 パ・リーグ首位のオリックスは貯金を17とし、2位・ソフトバンクとのゲーム差を2・5に広げた。V経験のない若い選手が多い中、この先に待ち受けるはずの重圧を「きっと大丈夫」と念じて突き進む。