<ソフトバンク13-5巨人(4日)>ソフトバンク・摂津が不安だらけの復活登板だ。右肩の筋疲労のため離脱していたエースは4日、巨人戦(ヤフオク)で久々に一軍のマウンドに立ったが、5回4失点。チームは打線爆発で13-5と快勝し首位オリックスに0・5ゲーム差に迫った。摂津も4勝目を手にしたものの、今後に課題を残す投球内容となった。

 摂津は初回こそ一死三塁のピンチを無失点で切り抜けたが、味方から2点の先制をもらった直後の2回、一死満塁のピンチをつくり、代打・横川に右中間フェンス直撃の適時二塁打で走者一掃されて逆転を許した。

 さらに3回にも、高橋由にあわやスタンドインとなる左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びた。5回を投げて5安打3四球4失点。打線の援護で4勝目を手にしたとはいえ“完全復活”というには程遠い投球内容だった。

 摂津については試合前、チーム内である不安がささやかれていた。前日3日の試合で正妻・細川が左ヒザを負傷したことによりバッテリーを組むことになった鶴岡との“コンビネーション不安”だ。

 あるチーム関係者は「どっちのリードがいい、悪いという話ではない。ただ、どうも合ってないようにも見えたからね」と話していた。摂津と鶴岡はロッテとの開幕戦(3月28日)で組んでいるが、6回3分の2で5安打3四死球4失点といまひとつの内容。2戦目の登板から、昨季までコンビを組んでいた細川にマスクを譲った。

「摂津と鶴岡はオープン戦でずっと組んでいた。しかし、摂津は今年のオープン戦でのマウンドを、カットボールやツーシームといった新球を試す場としていた。鶴岡は対戦もしていて球は知っているわけだけど、ほとんど本番モードの投球では受けてないんだ。復帰戦ということを考えれば、摂津と長く組んでいて知り尽くしている細川のほうがよかった」(前出のチーム関係者)

 重要な意味を持つ試合でエースに黒星が付いていたら、チームの流れが悪いほうに傾きかねなかった。そんな中で打線が2桁得点を奪い強力援護。おかげで4勝目を手にすることはできたが…。降板後の摂津は「調子自体は悪くなかったんですが、追い込んでから甘くなってしまった。次回はきちんと修正したい」と反省しきりだった。次回登板での巻き返しに期待したい。