<日本ハム6-2広島(4日)>日本ハム・大谷が4日の広島戦(札幌ドーム)でプロ入り後、自己最速となる160キロをマーク。5回を3安打1失点10奪三振で5勝目(1敗)を挙げた。

 7番・投手で先発出場した大谷は立ち上がり1番・田中を140キロフォークで、2番・菊池を158キロのストレートで連続三振。さらに3番・丸に対して158キロの速球を2球織り交ぜカウント2ー2と追い込むと5球目、外角高めに160キロのストレートを投げ込み3者連続空振り三振。花巻東3年夏、2012年7月19日の岩手県大会準決勝戦(一関学院戦)以来2年ぶりとなる自己最速をマークした。

 クルーン(巨人)の162キロ、ヤクルト由規の161キロに次ぐ、日本球界歴代3位タイとなる剛速球に札幌ドームがどよめいた。メジャー挑戦への意思を明らかにしている広島・前田をネット裏から調査していたレッドソックス、ブルージェイズ、レンジャーズなど複数の大リーグスカウトも驚いたに違いない。

 2回、先頭のエルドレッドに18号先制ソロを許したが、失投はこの1球だけ。5回まで10奪三振、4月12日の西武戦(札幌ドーム)以来、今季2度目の2桁奪三振で広島打線を圧倒していた。大谷は打っても5回、フラフラと打ち上げた飛球が遊撃と外野手の間に落ちるラッキーな二塁打でチャンスをつくる。日本ハムはこれを機に後続の5連打などで前田から一挙5点を奪い、試合をひっくり返した。

 そしてあと3分の1を投げれば規定投球回に到達という6回、マウンドに大谷の姿はなかった。この時点で71球。5回、本塁に生還した際、足首を痛めたため大事を取って降板となった。

 大谷は「真っすぐで空振りを取ることがテーマだったのでその点では良かった。本塁打は一番やっちゃいけないと反省していますがカーブを要所で使えて比較的納得いく球が多かった」と5月13日の西武戦以来の5勝目に安堵していた。