<広島5-3ロッテ(29日)>広島の絶対エース・前田が29日のロッテ戦(マツダ)に先発し、8回1失点の好投で5勝目を挙げた。この日は7安打を許したが、要所で抜群の粘りを見せ、約3週間ぶりの白星をゲット。成瀬とのエース対決を制した。打線もエルドレッドが2発を放ってホームランダービーのリーグ単独トップとなる暴れっぶりで打線を引っ張った。

 赤ヘルのエースが苦しみながらも白星を手にした。最近登板した4試合ではいずれも初回に失点していたが、この日はきっちりと三者凡退に仕留め好発進し、4回までわずか1安打。5回に3連打で1点を失ったが、代打・ブラゼル、角中を連続三振に取りピンチをしのいだ。

 決して本調子ではない。切れや制球力は万全な時と比べるとまだまだだが「力が入り過ぎていたところがあったが、前回くらいからちょっとずつ力が抜け始めてきている。状態はよくなってきた」。ここ2戦は巨人・菅野、オリックス・金子に敗れた。この日は成瀬とのエース対決。「いい投手と当たる中で僕が勝っていかないといけない」といつも以上の気合で臨んでいた。

 前田にはチームの23年ぶりのリーグ制覇とともに、防御率0点台という目標がある。「1点でも失点を少なくしていくように心がけている。2点台前半くらいになると0・5下げるのも大変。(防御率0点台は)ただ可能性がゼロではないと思っている」。この日は8回1失点で防御率を0・14下げることに成功した。

 打線ではエルドレッドが大爆発だ。成瀬から初回、右中間席に16号3ランを放つと5回には左翼2階席後方への17号特大ソロ。ヤクルト・バレンティンを一気に抜き本塁打数でトップに立つ暴れっぶりで、エースを援護した。セ・リーグでは最速で30勝に到達したカープ。今後もエースを中心に投打の噛み合った試合で勝ち星を積み重ねたいところだ。