藤浪二軍落ち危機救った“能見流”ゆとり投法

2014年05月28日 16時00分

リリーフカーからファンに手を振る藤浪

 阪神・藤浪晋太郎投手(20)が27日のロッテ戦(甲子園)で8回3安打無失点と好投し、今季3勝目を飾った。前回登板はプロ最短の2回6失点KO。今回の内容しだいでは二軍落ちという背水登板だったが、約1か月ぶりの白星で踏みとどまった。崖っ縁に追い込まれた2年目右腕を救ったのはエース・能見の“ゆとりのススメ”だった。

 

 初回から150キロを超える直球を連発。4回一死から5回にかけては井口、サブロー、クルーズ、今江、角中を高めの直球で5者連続右飛と力でねじ伏せる場面もあった。この会心の投球に藤浪は「先発ローテの柱と認めてもらえるような投球を心がけました。ストライク先行で直球で押していけたのが良かった」と満足そうに振り返った。

 

 制球を大きく乱してプロ最短KOを喫した20日のオリックス戦から1週間、フォーム修正に取り組んだ。その中で大きなヒントを与えてくれたのが能見だった。屈辱のKO翌日の練習で能見は早速、藤浪に身ぶり手ぶりを交えてアドバイス。自身の調整を続ける一方で悩める20歳右腕の再生にも全面協力した。

 

 その内容についてチーム関係者は「伸び悩んでいた能見が良くなったのは、ゆったりとした感覚で投げることを覚えたことが大きな要因。なかなか勝てない時は投げ急いだり、力んだりして乱れてしまう。藤浪も力むとコントロールが悪くなるという傾向がはっきり出ていた。能見は自分の体験も踏まえてアドバイスをしていた」と説明。ゆったりとしたイメージで投げることで全体のバランスも良くなり、体重移動も効果的にできる。能見自身も“ゆとり投法”で開眼した経験があるだけに、その投球術を藤浪にも伝授したのだ。

 

 今季は常にセットポジションで投げていたが、この日はよりゆったりした投球動作が意識できるノーワインドアップに変更。8回にも150キロ以上の直球を投げ込むなど安定感タップリの投球を披露した。

 

「最近は情けない投球が続いていたので申し訳ないと思っていた」と、もがき苦しんできた藤浪。その間はチームも黒星先行と低空飛行が続いてきただけに、2年目右腕の復調は和田阪神にとっても心強いばかりだ。