キューバからやってきた巨人の新主砲フレデリク・セペダ外野手(34)の評価が急上昇中だ。豪快な打棒だけでなく、選球眼の良さ、さらには圧倒的な存在感には原監督も一目置く。チームは交流戦最初のカード・西武戦に2連勝したものの、主力は不振にあえいでいる状況。新4番には今後もより活躍が求められることもあり、一部ナインからは夜の接待プランも浮上している。

 巨人ナインは22日、ジャイアンツ球場で全体練習を行った。練習を見守った原監督は、15日のヤクルト戦に4番で先発出場して以来、ここまでのセペダの働きに「いまさら言うことではないが、なかなかの存在感。打った、打たないの結果じゃない」と自身が“聖域”と表現したこともある「巨人の4番打者」として合格点を与えた。

 普通の打者なら空振りする高めのボールでも「絶対空振りしない。あそこをファウルにされたら、投手は投げる球がなくなる」。打率は6試合で1割8分8厘(16打数3安打)だが、21日の西武戦(西武ドーム)で1試合4四球を記録したように出塁率は4割1分7厘と高く、選球眼の良さと打席での粘り強さが、湿りがちな打線につながりをもたらしているとあって高く評価している。

 そんなセペダにはチーム内から、さらなる援軍も現れた。「外国人選手接待役」を自任する長野久義外野手(29)だ。これまでも新外国人選手にはその選手の母国語も交えて話しかけるなど、チームに溶け込むための努力を惜しまなかったが、新主砲に関してもプランを温めているという。

 一つには食事。早速会食セッティングに向け、セペダから好物を聞き出したが、答えは「鶏肉とバナナと言われました…」と苦笑。そこで話が終わらないのが長野だ。「僕といえば、ナイトスポットでしょう」とニヤリ。銀座、六本木などのナイトスポットを網羅する達人は、すでにセペダ向けの最新スポットも頭に入っている様子だ。

 ここまで心を砕くのも新主砲に尊敬の念を抱いているからこそ。セペダについて長野は「プロフェッショナルですよね。打った時、打てなかった時も表情を変えず、常にもの静か」。どんな時でも平常心を保ち、真摯に勝負に向かう姿勢を学びたいと考えている。

 まだまだ本調子とはいえない打線にとっても、セペダはチーム浮上の鍵を握る大事な存在。上昇気流をつかむためにも「接待部長・長野」が一肌脱ぐ。