新井貴&ゴメス弾が阻止した2年前の悪夢

2014年05月22日 16時00分

ヒーローとなりファンの声援に応えるゴメス

 阪神が21日のオリックス戦(京セラドーム)に7―6と辛勝した。先制したものの逆転を許し、一時は3点ビハインドと追い込まれた。この敗戦ムードを払拭したのが新井貴浩内野手(37)の同点弾とマウロ・ゴメス内野手(29)の決勝弾だ。もし負けていれば、泥沼に沈む危機に直面していただけに、首脳陣は2人の一発に感謝しきりだ。

 

 ナインと勝利のハイタッチを交わした和田監督は「あそこで決めてくれるのが4番だし、その前の新井貴の一発も大きかった」と大きく息を吐いた。

 

 5回に逆転を許し、3点差とされた直後の6回に代打・新井貴の2号2ランなどで同点。そして9回にはゴメスが最上階スタンドに特大の8号ソロを叩き込んで勝負を決めた。交流戦最初のカードの連敗を阻止する貴重な2発となったが、首脳陣は大きな危機感を抱いていた。

 

 問題の場面は逆転を許した5回だ。同点に追いつかれて、なお二死一、三塁の場面で先発・榎田から2番手・鶴にスイッチ。しかし、その鶴がいきなり初球で被弾し、一気に3点リードを許してしまった。オリックスのリリーフ陣は盤石。首脳陣は「1点、2点ならともかく3点となると…」と大苦戦を覚悟したという。

 

 チーム関係者は「交代していきなりホームランと完全に継投が裏目に出る形になった。チグハグ感が出てしまう展開。ベンチのショックも相当なもの。先発、中継ぎ陣のもろさを露呈する形になったし、チーム状態も決して良くなかった。このまま負けていれば絶対に今後に尾を引くことになっていた」と指摘する。

 

 実際、和田監督には2年前の悪夢がある。就任1年目の2012年、貯金2で交流戦に突入したものの、いきなり5連敗で借金生活に転落。そのままズルズルと後退し、借金21の5位という屈辱的な成績で終わった。

 

 この二の舞いを避けるためにも、コーチ陣は「交流戦の怖さを痛感させられた。とにかくスタートが大事。できるだけ早く1勝を挙げないといけない」と考えていた。それだけに交流戦2戦目での“1勝”は和田阪神にとって大きな価値がある。敗色濃厚の試合をひっくり返したとなれば、なおさらだ。指揮官も「いろいろな意味で大きな1勝」と胸をなでおろした。

 

 新井貴とゴメスの本塁打は転落危機を救う、まさに値千金の一発となった。