大下剛史氏が断!巨人主力の不振は“松井キャンプ”が元凶

2014年05月20日 16時00分

松井氏(中)の参加で盛り上がった巨人・宮崎キャンプだが…

【大下剛史 熱血球論】本紙専属評論家の大下剛史氏が、投打に精彩を欠く巨人の現状を「松井キャンプの弊害だ」と斬り捨てた。

 

 目を覆いたくなるような惨状だ。巨人のことである。既に一度指摘しているが、チームの大黒柱でもある阿部の状態が悪すぎる。自慢のバットからなかなか快音が響かないばかりか、マスクをかぶっても今まででは考えられないようなプレーが目立つ。

 

 先の広島3連戦でもそう。17日の第2戦では3回に菅野の投球を後逸。ボールが転々としている間に一塁走者の梵に三進まで許してした。記録上は「暴投」となったが、身を呈して後逸を防げなかったばかりか、ノロノロとボールを取りに行く動きに興ざめした人も多かったはずだ。6回一死二、三塁の暴投も緩慢な動きだった。第3戦も3回一死二、三塁からセドンの暴投を止められずに追加点を許し、直後にエルドレッドの2ランを被弾した。

 

 最近の阿部を見ていて気になる点は他にもある。14日のヤクルト戦のテレビ中継では、スタメンから外れて一塁側ベンチで戦況を見守るシーンが映し出されたが、その姿はふて腐れ、ふんぞり返るガキ大将にしか見えなかった。精神的支柱でもある男がプレーの不振だけでなく、不満げな態度をあらわにすればチーム全体の士気にも悪影響を及ぼしてしまう。

 

 坂本にも同じことが言える。14日のヤクルト戦の3回、そして16日の広島戦の7回にも打球をファンブルさせて出塁を許した。いずれも逆シングルではなく、もっと足を使って正面から捕球しにいけば、あのような凡ミスは起こらなかった。これは基本中の基本だ。何を格好つけているのか、と言いたい。こういう横着なプレーもまた、ナインのモチベーション低下を招く。

 

 ハッキリ言おう。彼らのように巨人の主力が心・技・体ともにまったくなっていない状況に陥っているのは、すべて宮崎春季キャンプに原因がある。大物OBの松井秀喜氏を臨時コーチとして招き、客寄せパンダにした「松井キャンプ」によって選手たちはろくな調整ができなかった。キャンプの主役が選手ではなく、フリー打撃やフリー登板までやらされた臨時コーチになっていたのだから、満足な結果など出るはずがない。

 

 しかし、まだ諦めるのは早い。巨人には、これらのマイナス要素を払拭して立て直すチャンスが残されている。それは20日から始まる交流戦序盤の日程を有効活用することだ。

 

 巨人は西武ドームで行われる西武との開幕2連戦を皮切りにQVCでのロッテ戦を経て、東京ドームで日本ハムと楽天を順に迎え撃つ。29日まで拠点の東京近郊が戦いの場となっており、ホームアドバンテージがある。これは大きい。

 

 19日の開幕前日はもちろん、試合が組まれていない22日と27日は移動スケジュールに忙殺されることなく、ジャイアンツ球場か東京ドームでじっくりと練習することができる。この日程に恵まれた10日間をミニキャンプ期間ととらえ、心・技・体ともにもう一度じっくり鍛え直せばいいのだ。

 

 強い巨人が復活しなければ、ペナントレースは終わってしまう。それを防ぐためにも原監督は主力選手たちを一刻も早く原点に立ち返らせる必要がある。阿部や坂本にはあえて厳しい言い方をしたが、これを覆すような活躍を期待したい。(本紙専属評論家)