<オリックス7-2ソフトバンク(18日)>ソフトバンクは18日、首位オリックス(京セラ)に2―7で敗れ、交流戦前最大の山場である今回の首位攻防戦で、今季初の同一カード3連敗を喫した。この試合で先発のウルフが右ヒジに違和感を訴え2回途中で降板するアクシデントが発生。打線はこれで15日のロッテ戦から38イニング適時打なしと、深刻な適時打欠乏症に陥っている。特にブレーキとなった4番・李大浩の状態が心配だ。明日20日から得意の交流戦が始まるが、チームは投打ともに不安でいっぱいだ。

 初回、李大浩の併殺打の間に1得点したが、2回に予想もしない展開が待っていた。ウルフは満塁からヘルマンに逆転の2点打を許すと、平野恵、糸井にも適時打されるなど、7番の駿太から始まったまさかの6連打で一気に5点を失った。

 糸井に続くペーニャに3球目を投げた瞬間、普段はポーカーフェースの助っ人が表情をゆがめた。「ヒジの周辺に強い痛みを感じて、そのまま投げるのは難しいと感じた」(ウルフ)。結局、これで緊急降板となった。

 本人によると張り自体は登板前からあったという。

 今後の見通しについて郭投手コーチは「明日の検査の結果次第でしょう。まだ分からない」と説明。現在、エース・摂津が右肩の筋疲労で二軍調整中。この登板まで4勝1敗、防御率2・15と安定していたウルフは、明日20日から始まる交流戦の柱として期待されていた投手だった。それがこのまま離脱となれば、大きな痛手だ。外国人枠の兼ね合いで二軍調整中のオセゲラは、この日の二、三軍戦(雁の巣)で13失点の大炎上。ここまで踏ん張ってきた先発投手陣だったが、にわかに台所事情が苦しくなってきた。

 もう一つの不安要素が打線のタイムリー欠乏症。この日の試合では2点を取ったが、適時打はなかった。これで15日のロッテ戦の初回から38イニング連続して適時打なし。首脳陣も「マジメな選手が多いから考えすぎてしまう」と頭を悩ませる。そんな重いムードに拍車をかけてしまっているのが、4番・李大浩のブレーキだ。

 この日も初回、無死満塁の絶好のチャンスで併殺打に倒れ、KO寸前だったオリックス先発・松葉を生き返らせてしまった。前日17日の試合でも初回一死一、三塁の好機で併殺打に倒れていている。今カード3戦連続で得点圏で併殺打を放ちチャンスをつぶしてしまった。

 藤本打撃コーチも「あそこでデホ(李大浩)が打っていれば松葉はつぶれていた。最高の仕事と最低限の仕事がある。最低、外野フライでもいいくらいの気持ちでいかないと。責任感があるからだろうけど、いいところを見せてやろうという気持ちが強かったと思う」と渋い表情だ。

 オリックスとの首位攻防戦で3タテを食らったソフトバンク。大きな不安を抱えたまま、セ・リーグとの戦いに突入する。