阪神 ルーキー梅野育成は「ノムラ流」

2014年05月14日 16時00分

生え抜き正捕手として期待されている梅野

 阪神は長年の課題となっている生え抜き捕手育成に取り組んでいる。期待の新人捕手・梅野隆太郎(22)に対して「ノムラ流英才教育」を施しているのだ。

 

 2005年以来9年ぶりのリーグ優勝と同時に急務となっている世代交代。中でも正捕手については10年以上、補強に頼っている状態で生え抜きを育てることができていない。そんな中、非凡な打撃センスを持っている梅野が入団。阪神の新人捕手としては1969年の田淵幸一以来45年ぶりとなる開幕戦出場、開幕カードでのプロ初安打を記録した。すでに2本塁打を放つなど持ち前の長打力もアピールしており“打てる捕手”としての期待も高まるばかりだ。この梅野を正妻に育て上げるために導入しているのが、球界を代表する名捕手、名将だった野村克也氏の育成方法だ。

 

 実践しているのは野村氏に指導された経験がある黒田ヘッドコーチと山田バッテリーコーチ。ヤクルト監督時代、野村氏はID野球の申し子となる古田敦也氏を名捕手に育てる際に常にベンチでは自分の近くに座らせ、捕手論を叩き込んだ。

 

 同じように梅野のベンチでの指定席は黒田コーチ、山田コーチの近く。試合中に両コーチは「今のはどういう意図のリードか分かるか?」「お前なら次はどうする?」など矢継ぎ早に質問。「ここは大事な場面だからよく見ておけ」などと実戦的な教育を行っている。

 

 山田コーチは「とにかく常に考えて、勉強させないといけない」と意図を説明。先輩の鶴岡はもちろんライバル球団の巨人・阿部、中日・谷繁といった実績十分の“生の教材”を観察するだけでも学ぶことは多い。さらに、経験豊富な黒田、山田両コーチの解説付きとあって吸収も格段に早くなる。梅野も「非常にためになります」と手応え十分だ。

 

 春季キャンプから一軍に帯同し、約3か月が経過。山田コーチが「(質問に対する)反応も変わってきた」と明かすように着々と成果も出ている。悲願の生え抜き正捕手を誕生させるために、今後も“ノムラ流教育”を継続する。