楽天で“ポスト松井稼頭央”と期待されている西田哲朗内野手(22)が覚醒だ。11日のロッテ戦(QVC)で2戦連発となる2号ソロを含む3安打2打点と大暴れ。本人は「ヒットの延長です。結果的に大きいのが出ているだけ」と謙遜していたが、星野監督も「今日みたいな打撃を続けてくれれば」と、その成長ぶりに目を細めている。

 180センチの大型遊撃手として期待された西田は関大第一高から2009年のドラフト2位で楽天に入団。プロ5年目ながらケガに泣き、昨季まで出場47試合で本塁打はなかった。

 覚醒のきっかけは、僚友ジョーンズの“思いつき”だった。そのパンチ力に注目していたAJは「バレンティンのようになれ」と、半ば強制的に西田の登場曲を故郷オランダ領キュラソー島の後輩、ヤクルト・バレンティンと同じカニエ・ウェスト&ジェイ―Zの「Niggas in Paris」に変更。今年3月16日のヤクルトとのオープン戦(静岡)ではその出ばやしで打席に入り、左翼席に本塁打を放り込んだ。西田は「バレンティンに申し訳ないです」と恐縮しきりだったが、ヤクルト主催のオープン戦(浦添)でもバレンティンの目の前で本塁打を打っているだけに、出ばやしとの関連性は無視できない。

 今回は出ばやしと無縁の敵地だったが「今度は本拠地で本塁打を打ちたいです」と西田。今季は登場曲をB’zに変更するプランもあったが、そのままにして正解だったようだ。