中日が11日の広島戦(マツダ)に9―5で勝って3タテを免れた。このカードの連敗も4で止め「選手にも意地があっただろう。初回から気持ちが出ていた」と谷繁元信捕手兼任監督(43)は序盤で9点を奪った打線を褒めた。

 前日10日は4失策など信じられないミス連発で5―13と大敗。草野球とまでやゆされたが、この試合では“後遺症”はどこにも感じられなかった。開幕から指揮官が、念仏のように唱えている言葉のおかげだという。それは試合後の会見で「いつも言っていますが…」で始まる谷繁監督お得意のフレーズで、その後に続く「勝っても負けてもそこで終わり。反省するところは反省して、次に向けて準備をする」。

 選手専任時代からのポリシーで、いくらサヨナラ勝ちしても喜ぶのは、その瞬間だけ。負けて悔しがるのも同じ。試合が終われば次に向けて頭を切り替える。監督兼任になってもその考えは変わらず毎試合、繰り返している。「あれだけ同じようなコメントを使うのは選手へのメッセージ。選手だって分かっている」(チーム関係者)

 失敗を反省はするが、次の試合には持ち込むなということ。前日に送球エラーを犯した野本は、この日はスタメン起用に応えて2安打2打点。中飛を落球した大島も守備を無難にこなし、打撃でも2安打と気を吐いた。「昨日は昨日。今日は今日。引きずらないようにしました」と野本は笑顔を見せた。借金5の4位ながらペナントレースはまだまだ序盤。“谷繁念仏効果”で逆襲といきたいところだ。