日本ハム・大谷が10日、オリックス戦(ほっともっと)でオリックス・ディクソンのノーヒットノーランを阻止する意地の一打を放った。

 日本ハム打線が7回まで相手先発・ディクソンの前に無安打に封じられた。この試合直前、チームOBのレンジャース・ダルビッシュが9回二死まで無安打無得点と好投しており、ベンチ内には「こちらはやられてしまうんじゃないか」と重く複雑な空気が広がった。

 それを振り払ったのが大谷だ。5点を追う8回、無死一塁の場面で代打で打席に立つと、外角カーブをとらえ鋭いゴロで一、二塁間を破ってチーム初安打をマーク。「(石川)慎吾さんが四球で出たので何とかつなぎたかった」と話した。

 捉えたのは狙い球ではなかったカーブだった。「初球にも来ていたので」と対応力の高さを見せ、打率は3割9分をマークしている。野手での先発出場は今月まだ1度だけだが、存在感の大きさを見せつけている。

 大谷の一打で一死一、三塁とし、陽岱鋼の内野ゴロの間に1点を返したが、この日の得点はこれだけ。チームは1―8と大敗し、前夜の試合で相手エース・金子を打ち崩したいい流れを断ち切る形となった。栗山監督は「何とかしたかったね、申し訳ない。ディクソンは全てがよかった。(完封負けした)開幕2戦目以上(の投球)はないと思ってたけど、よかったね」と脱帽するしかなかった。

 初回の先制機で併殺打に倒れるなど4タコに終わった4番・中田は「途中まですごくいい投球をしていた(武田)勝さんを少しでも楽にさせてあげたかったが申し訳ない。今日の負けは僕ら野手のせい」とうなだれた。