5月に入って黒星が先行し、一時期の勢いを失いつつある阪神。この状況を打破するために球団OBが挙げたのは、何と懲罰降格騒動の主役となっているDeNA・中村紀洋内野手(40)だ。

 当然のことながら“造反”を推奨しているわけではない。あるOBは「もちろんチームの和を乱すような発言、行動はダメだけど…」と前置きした上で「時にはノリのようなずうずうしさは必要」という。この“ノリ化指令”に至った理由は絶好調時の虎ナインの言動だ。OBや関係者などに選手は「たまたまです」「相手投手の調子が悪すぎるだけ」「こんなにいいスタートを切れるとは思わなかった」と控えめ発言を繰り返していた。

 これに対してOBは「もっと勢いのあることを言ってもいいのに…。確かに相手投手との兼ね合いもあったかもしれないけど、そういうことを度外視して大口を叩くべき。実際に口にすることで気持ちも大きくなるし、自信にもつながる。こういう時に自信をつけておかないと苦しくなった時や勝負どころで弱さ、もろさが出てしまう。まじめというか、人がいいというか…。お人よしだけでは勝負に勝てない」と苦言を呈していた。

 決して胸を張れる数字ではないものの、中村はスラッガーとしてのプライドは譲らない。チームの和を乱してしまったことは容認するわけにはいかないが、その揺るぎない自信を持ち続ける姿は評価できる部分もあるというのだ。エース・能見が2連敗。打線も低調と正念場を迎えている和田阪神。このままズルズルと落ちないためにも“ノリ化”は必要かもしれない。