連勝男がついにストップ――。ソフトバンクは3日の楽天戦(コボスタ)に5―6で敗れた。開幕6連勝をかけて先発した中田は制球に苦しみ、楽天主砲・ジョーンズに2打席連続2ランを浴びるなど、5回6失点でKO。打線は終盤に内川、松田の一発で猛追したが及ばず、中田に移籍後初黒星がついてしまった。

 悪夢のような失投だった。中田は初回二死三塁から、ジョーンズに外角高めに甘く入った128キロスライダーをドンピシャリで捕らえられ、左中間席に10号2ランを叩き込まれた。

 これだけでは終わらない。4回無死一塁で再びジョーンズの第2打席。今度は141キロの低め直球を、またもや左翼席に運ばれた。ジョーンズの2打席連続となる11号2ランに中田は肩を落とすしかなかった。

 気落ちした中田はこの後、7番に入った元鷹戦士の小斉にも右翼線に適時二塁打を浴び、この回一挙3失点。試合を決められてしまった。5回にも無死満塁から1点を奪われた右腕は、5回を115球9安打6失点でKO。嘉弥真にマウンドを譲った。

 オフにFAで中日から加入した中田はここまで5試合に登板し5戦全勝。防御率も2・18と投手陣を引っ張ってきた。だが、前回の西武戦(4月26日)は白星がついたものの、6回8安打2失点と苦しい投球だった。秋山監督は「ジョーンズの二発が痛いな。2本目がいかん。あの辺、しっかり投げんと」と苦言。加藤投手コーチも「制球に苦しんでいる。行くなら行くで自信をもっていかないと」と助っ人への攻めを嘆いた。

 打線は8回に爆発し内川の7号ソロ、松田の8号3ランで1点差まで詰め寄ったが、9回には昨季までチームメートだったファルケンボーグにピシャリと抑え込まれ、5―6で敗れた。

 中田は1回一死の場面で、中日時代からコツコツと積み重ねてきた1000イニングを達成。プロ野球338人目の達成で5回裏、花束を受け取ったが、その表情は硬かった。帰りのバスに乗り込む際は「(ボールが)甘かった。コースも高さも投げ切れなかった」と唇をかんだ。

 それでも5勝1敗とまだ個人の貯金は4。試合前も「連勝は気にしていない」と平常心をアピールしていた。気持ちを切り替えて、再び好投を見せられるか。