オリックスが好調だ。開幕前の評価はそれほど高くはなかったのだが…。

 オリックスをBクラス(5位)と予想した本紙評論家の得津高宏氏は「あの予想は間違いだった。このチーム状態なら、確実に優勝争いにからんでくる」と、開幕からまだ1か月しかたっていないにもかかわらず、異例の“予想撤回”。同氏によれば、オリックスが優勝できるかどうかのカギは、この日今季2勝目をマークした井川にあるという。

「井川だけが心配だったが、この日のピッチングに全盛期の阪神時代のようなたくましさを感じた。さすがに阪神時代のときほど真っすぐは速くはないけれど、チェンジアップを非常にうまく使うなど、投球に幅が出てきた。気持ちにムラのあるところが彼の欠点だと思うのだが、今季はそういうところもないし、何より髪形がいい。井川のいい精神状態を物語っている」

 一体どういうことなのか。

「これまでの長髪にサングラスというスタイルの井川は、自分の弱さを隠したい典型的なタイプに見えた。それがここへきて心境の変化があったのでしょう。髪の毛を切ってからは、投球内容まで別人のよう。顔つきも自信に満ちている。もともと乗っているときは手のつけられないピッチングをする男。今の高いレベルの投手陣に、井川まで加われば怖いものはない。今の順位も当然で、フロックではありませんよ」

 果たして得津氏の見立て通り、万全の投手陣を誇るオリックスが、このまま首位を固めるのか。いずれにせよその勢いは当分、続きそうだ。