ソフトバンクは30日、オリックスに敗れ、これで今回の首位攻防戦は2連敗。その差を3ゲームに広げられた。秋山監督からラストチャンスの宣告を受けて“背水マウンド”に臨んだ寺原だったが、同点の4回にT—岡田、鉄平に一発を浴び、4回途中で無念の降板。試合後、二軍落ちが決まった。強力打線もベテラン左腕・井川を攻めあぐねるなど、前日の試合に続いてオリックス投手陣に封じられた。

 試合前の時点でリーグワーストタイの6被弾。大きな課題となっていた“一発病”が、この日も発症した。4回一死からT—岡田にバックスクリーン右へ叩き込まれる3号ソロを浴びた。これで動揺したのか、続く坂口にはストレートの四球。そしてベテラン・鉄平に痛すぎる一撃を浴びた。

 低めのスライダーをとらえられ打球は右翼スタンドへ。続く原拓、伊藤にも安打され、これで四球を挟んで5連打。何とかヘルマンを打ち取ったものの、二死二、三塁で無念のKOとなった。

“ラストチャンス”を生かせなかった。寺原は前回登板の4月23日の日本ハム戦も、3本塁打を浴びて4回5失点KO。この試合後、秋山監督は「投げっぷりが悪い。向こう(相手先発)の新人(浦野)のほうが投げっぷりがよかった」と怒り心頭。「(9連戦となるため)次はいくけど、ラストくらいの気持ちでいかないとな」と今回の内容次第での二軍落ちを明言していた。背水のマウンドも最悪の結果に終わり、指揮官は寺原の二軍降格を決断した。

 打線もオリックス先発・井川を攻略できなかった。首脳陣は「今の井川は阪神時代のような投球はない。見下ろすくらいでいけばいいと思う」と話し、その言葉通り、5回までに7安打を浴びせて攻め立てたが、ベテラン左腕の粘りの前にてこずった。

 4回一死満塁のチャンスでは本多、中村が連続三振。奪った得点は3回に内野ゴロの間に返した1点のみで、5回1失点で試合をつくられた。

 オリックスとの首位攻防戦に連敗。ゲーム差を3に広げられたソフトバンク。まだシーズン序盤とはいえ、これ以上離されるわけにはいかない。