阪神が目指す金子、平野佳“ダブル獲り”

2014年04月30日 16時00分

グラウンド外でも火花を散らす原監督(左)と和田監督

 阪神が“打倒・巨人”に燃えている。29日現在で18勝10敗、首位・広島に2ゲーム差の2位と好スタートを切った。今後、セ・リーグの覇権をめぐって激しい戦いが展開されることになるが、水面下でも“仁義なき戦い”の勃発が避けられない情勢となった。火種は今季中に国内FA権を取得する見込みのオリックスのエース・金子千尋(30)と守護神・平野佳寿(30)。早くも阪神サイドは「絶対に巨人に渡すわけにいかない」と闘志満々だ。

 球団幹部は「オフに向けて投手補強の調査を重点的にやらなければいけない」と厳しい表情で打ち明ける。

 攻撃陣がリーグ2位のチーム打率2割9分2厘をマークしているのに対して投手陣はリーグ4位のチーム防御率4・30と苦しんでいる。この“打高投低”の状況について和田監督も「いつまでも打線がいいというわけではない。必ず調子が落ちてしまう時期が来る。その時までに投手陣を整備しないと…」と頭を悩ませている。

 現在、先発ローテーションを構成しているのはエースの能見、メッセンジャー、藤浪、ルーキーの岩崎の4人。本来なら6人でローテーションを組みたいところだが、残り2枠を埋めることができずメッセンジャーを中5日でフル回転させるなど苦しいやり繰りが続いている。中継ぎ陣も福原、加藤、安藤と35歳以上のベテランに頼っている状態だ。

 今のところ期待していた若手選手の台頭もほとんどない。このままでは今季だけではなく、来季以降も苦しい戦力構成となってしまう。オフには即戦力投手の補強が欠かせない状況で現在、中村GMを中心にプロ、アマ問わずに精力的な調査が進められている。

 その中で筆頭候補としてリストアップされるのがオリックスの金子と平野佳の2人だ。金子は昨年15勝8敗で内容も200奪三振など沢村賞の基準7項目を満たし完璧だった。現場からも「今、日本で最高の先発投手。FA宣言したら絶対に獲得に動かないといけない」と早くも“獲得要請”が出ている。

 4年連続で60試合以上に登板するなど安定感タップリの平野佳についても球団関係者は「リリーフ陣の高齢化が深刻になっている。平野佳と呉昇桓が揃えば強力なリリーフ陣ができる」と大きな期待を寄せている。

 当然、他球団もこの2人をマークしており、FA権を行使すれば激しい争奪戦となることは確実。特に阪神サイドが警戒しているのは宿敵・巨人だ。すでに球団関係者は「どの球団も高い評価をしていることは確実。日本でトップクラスの投手だけに巨人が動く可能性は高い。でも絶対に巨人に渡すわけにはいかないでしょう。これ以上、戦力アップさせることは避けなければならないし、関西で育った選手をみすみす東の球団に移籍させるわけにはいかない。フロントはもちろんOBも含めて球団の総力を挙げて獲得に乗り出す必要がある」と気勢を上げている。

 開幕から1か月。首位を快走する広島を阪神、巨人の2球団が追いかける展開になっている。リーグ優勝に向けてグラウンドで激しい戦いが繰り広げられる中、水面下でもライバル・巨人の動向をにらみながら金子、平野佳の“ダブル獲り”を目指し、調査を進めていく。