<広島3-0巨人(27日)>勝利の女神に見放されてしまったようだ。巨人・内海は今季5度目の先発となった27日の広島戦でも、7回を3安打無失点と好投しながら白星をゲットできなかった。原監督は「いい投球をしてくれている。(内海に勝ちを付けようと)なんとか全員で頑張っているんだが…」とかばったが、一軍にいる先発ローテーション投手でいまだ未勝利なのは内海だけ。その立場は日に日に苦しくなっている。左腕は「粘り強く投げられた」と話したが、勝ち星について聞かれると「それはいいです」と厳しい表情で遮った。

 最近では、ローテを変更してまで内海を勝たせようと躍起になっているが、結果は5戦未勝利という残酷な数字。さらに内海グループのナンバー2である山口も、この日のサヨナラ被弾を含めて今季は近年なかった不調に苦しんでいる。

 それだけに現場の一部からはこんな声も上がっている。スタッフの一人は「テツ(内海)の結果が出ないと、仲が良いだけに投手陣全体のムードが上がらない。そうでなくても、最近は“グアム組(内海が後輩たちを連れて行う年明けの自主トレ組)”に厳しい目が向けられているのに…」と話す。

 内海率いる今季のグアム自主トレには、巨人から山口、小山、笠原、宮国、柴田が参加した。だが、現在一軍でパッとした成績を残している投手は皆無。さらに今季はアリゾナで自主トレを行ってエースに成長した菅野の台頭もある。このままでは今オフ、グアム組が存亡の危機にさらされそうな状況なのだ。

 防御率2・87は堂々のリーグ4位。勝ち星が付かないのは本人だけの責任ではない。次回登板に向け「もっと長い回を投げられるように頑張る」と前を向いた内海だが、次も勝利を手にできないようだと、いよいよ周囲が騒がしくなりそうだ。