<阪神3-0中日(24日)>中日は阪神に敗れ、再び借金生活に転落した。打線が今季2度目の対戦となった阪神・岩崎の前に沈黙し、これで、虎のルーキー左腕に計12イニング無得点の体たらく。谷繁監督は「ゼロにはなったが、前回よりは紙一重」と次の対戦での雪辱を誓った。

 そんな中、誰よりも唇をかんだのが4番・平田良介外野手(26)だ。この日は2三振を含む4打数無安打。1点を追う6回無死一、二塁の好機では、ヒザ元の直球に手が出ず三球三振となり、ぼうぜんと打席に立ち尽くした。これに「みんな左(打者)が打てなくて負けたと思うかもしれないけど、今日は右の自分が打てないせいで負けた」と敗戦の責任をかぶる発言。この打席の2球目の内角への甘い直球を見逃したことで「あそこで振らなかったから負けたんです」と大ざんげだ。

 もっとも、この平田発言を首脳陣は喜んでいる。「そういうことが言えるのは4番を任された自覚を持ってやっているということ。昨季までの平田ならそんな発言はしなかったと思う。本当に成長している」とあるコーチが言えば、別のコーチは「右に流すのか、左に引っ張るのか迷ったから、ああいう打席になってしまったと思うが、それも勉強。でも、自分のせいと言えるのは、真の4番に近づいている証拠だよ」

 谷繁監督が平田を4番に使い続けるのは、これから何年も竜打線の軸になってほしいとの願いがあるからだし、そうなれると思ってのこと。それほど期待は大きい。失敗は成功のもと。首脳陣は虎のルーキー左腕にひねられた試合が平田のステップアップのためのバネになると信じている。