巨人が3週連続で先発ローテを再編した。22日のDeNA戦(宮崎)は3登板連続で中5日の先発となった菅野智之(24)が、今季チーム初となる完投で4―1の勝利に貢献した。しかし週末に行われる広島との3連戦(マツダ)も先発陣の順番を入れ替えることが濃厚で、ドタバタ感は否めない。勝負どころのシーズン終盤に影響が出ないか、不安が広がっている。

 10年ぶりとなる春季キャンプ地・宮崎での公式戦。ローテ通りならばセドンだったが、巨人にとって特別な試合という意味もあり、今季の開幕投手を務めた菅野が3登板連続となる中5日でのマウンドに上がった。

 4回に先制点を許す展開も、打線が5回にアンダーソンのグランドスラムで逆転した後は軌道修正。球数が100球に達した6回終了時点で川口投手総合コーチに「最後まで行きます」と宣言し、最終的にプロ最多の142球で試合を締めくくり4連勝を飾った。「ゴールデンウイークには9連戦もあるし、先発投手だけの力で勝つことは難しい。おこがましいけど、自分が長いイニングを投げて(中継ぎに)休んでもらえたらと思いました」

 菅野の力投で制した試合を原監督は「いい投球をしてくれた。完投というのは先発投手の一番の栄光だと思います。宮崎は非常にお世話になっているふるさとみたいなところ。久々の公式戦で勝てたことはよかった」。川口コーチは「言うことない。満点!」と2年目右腕をたたえた。

 不振の救援陣を休ませて白星を飾ったものの…。先発ローテの行方は不透明だ。25日から行われる首位・広島との3連戦(マツダ)は大竹が中5日となり、杉内―大竹―内海で臨むことが濃厚。今季未勝利の内海になんとか勝ちをつけ、波に乗せようと首脳陣も必死だ。だが、いろいろ配慮するあまり“毎週恒例”となっているローテ再編は早くも今季3度目。投手を5人で回せる交流戦終了まで辛抱すればいいのだが、シーズン序盤から先発投手陣を酷使するドタバタ感は否めない。

 現時点では軸となる菅野が「今は中5日の体になっている。今後の野球人生につながると思う。今はマイナスよりプラスに考えています」と前向きな姿勢で踏ん張り続けているが、勝負どころのシーズン終盤に影響がないとは言い切れない。

 そもそも、開幕当初の先発陣へのノルマは「中6日あげるんだから7回までは投げてくれないと」(川口コーチ)というものだったはず。それが今は指揮官が「これからは7回までいってほしい。巨人軍のノルマだな」と明言するなど、どんどん厳しくなる一方だ。これにはチームスタッフからも「若手を信用していないんだろうけど、6人でゆったり回せばいいのに…」という声も上がり始めている。

 長いシーズンはまだ始まったばかり。夏場に向けて投手陣が崩壊しないことを祈るばかりだ。