崖っ縁の佑ちゃんに強力な援軍となるのか――。

 日本ハムは21日、新外国人右腕アンソニー・カーター投手(28=前パドレス3A)の獲得を発表した。

 カーターは昨年、レッドソックス傘下3Aポータケットで抑えとして2勝24セーブ、防御率3・47をマークした右の本格派。栗山監督は「真っすぐが速く、キレのいいスライダーやスプリットを持っていて力で押していけるタイプ。チームが前進していく上で不可欠な戦力になってくれるはず」と高い期待を寄せている。

 しかし、開幕投手の吉川(3敗、防御率5・96)とベテラン・武田勝(2敗、防御率10・22)が揃って未勝利。8人いる先発で勝ち星がついているのが3年目・上沢(3勝)、2年目・大谷(2勝)、新外国人・メンドーサ(1勝)の3人だけで先発陣の防御率がリーグワーストの5・06という惨状でなぜリリーフを補強するのか。

 球団幹部は「今年はどうしても先発を育てて将来の軸を作る年」だとし大谷、上沢、斎藤、吉川、浦野、中村勝の「U―26」の底上げを強調。いまだ完投数ゼロという若い先発陣を育てるために、体調不良からの復帰間近な守護神・武田久の穴を埋めてきた増井、クロッタ、宮西の勝利の方程式に左の石井の復調と合わせカーターの獲得でブルペンをより強化。先発陣には何とか5、6回を3失点以内に抑えてもらうという目標の中で育成強化を図ろうという算段だ。

 栗山監督は18日のイースタン・楽天戦で7回2失点と二軍でひとまず結果を出した斎藤に対し「良くなればチャンスをあげる。オレは見てる。斎藤早く来いよって!」とまだまだ再起への希望を捨てていない様子。状況的にカーターは、どうにか斎藤に白星をつけるために獲得した選手、ということか。