巨人の投壊現象が止まらない。15日のヤクルト戦(静岡)は先発セドンが7回途中3失点と粘りの投球を見せたものの、7回のピンチをしのいだ2番手マシソンが8回になって大崩れ。押し出しを含む3四球で勝ち越しを許すと香月、高木京も打ち込まれて4―8で敗れ4連敗。4位中日の足音まで聞こえてきた。

 原監督は「先発のメンバーが(得点を)取れるときに取っておく。相手のスキにつけ込む。そういうとこ。明日からは大丈夫でしょう」と打線の奮起を促したが、やはり心配なのは先発ローテを2週連続で再編する“プチスクランブル状態”になっている投手陣だ。しかも今季は自慢のリリーフ陣まで心もとなく、ドラフト1位ルーキー・小林の育成プランにまで影響が出ている。

 首脳陣は阿部の後継者と位置づける小林を「使いながら育てる」方針。開幕一軍ベンチに入れたのもそのためだ。今季はここまで先発で2度、途中出場で4度起用。先発の時には「制球力のいい投手と組ませて、終盤は阿部にバトンタッチするのが理想」(チーム関係者)というプランでマスクをかぶらせている。

 しかしそれは、投手陣が盤石であることが大前提。いまのように不安定なままでは、いくら「実戦向き」(原監督)な大型新人でも守備の要を任せるのは酷というもの。加えて打線もイマイチとあっては満身創痍の阿部に無理をしてもらうしかない。

 絶好のスタートダッシュを決めた巨人だが、気がつけば貯金1。金の卵をベンチで“腐らせ”ないためにも、チームの立て直しが急がれる。