<朝井秀樹のおじゃまします>どうもアサイです! 今回は阪神におじゃましました。気になっていたのは開幕から不調が続いていた投手陣です。一時はチーム防御率も7点台となり「投壊」と騒がれてしまいました。僕が巨人に移籍する2010年までの4年間、楽天で指導していただいた山田バッテリーコーチは3月28日からの巨人との開幕カードがその後の試合に少なからず影響したと言います。

 まず開幕戦ではエースの能見さんが10失点で5回途中に降板。2戦目は何とか試合には勝ちましたが、メッセンジャーも6回で被安打11。山田さんは「最初のカードで実績のある投手が打ち込まれたことで若手投手が動揺した部分はある。そこからうちの弱さが出てしまった」と分析。能見さん、メッセンジャーの2人はいわば阪神のエース級投手です。この2人が打たれたことが他の投手にも影響してしまったようです。今回、2度目の対戦となった巨人戦ではメッセンジャーが8回1失点、能見さんが9回完封でともに勝利投手になりました。この好投で投手陣も落ち着いてくるでしょう。

 若い中継ぎ陣の炎上が続いたことも、山田さんに言わせれば「相手にとって“ラッキー”としか言いようのない安打も多かった。うちにとってはアンラッキーだっただけ。そういうのは気にしてないよ」。打ち取ったはずの打球が、飛んだところが悪くてヒットになるというのはよくあること。こうした悪い流れも重なっていたようです。

 新守護神の呉昇桓も3日の中日戦で1失点、9日のDeNA戦で2失点。期待が大きいだけにファンの方々も心配されているようですが、山田さんは「失点のことをいろいろ言われるけど、ここまで一度も失敗していないやろ? 抑えは勝ったまま試合を締めたらいいんだよ」と、どこ吹く風といった様子。今回の巨人戦では2試合に登板し、ともにピシャリと三者凡退でした。

 そして、期待の藤浪くんも今季2戦2敗。8日のDeNA戦ではブランコの満塁弾で逆転負けを喫しましたが、捕手の藤井さんの信頼は「ボールは変わらずいいよ」と全く揺るぎません。悪いスタートになってしまった投手陣ですが、もう心配する必要はないでしょう。 (本紙評論家)