ソフトバンクは12日、オリックス戦(ヤフオクドーム)に7―1で快勝し、開幕3連勝以来となる連勝を飾った。打線が“積極打法”で相手エース・金子に2ケタ10安打を浴びせて3点をもぎ取ると、秋山監督は石橋を叩いて渡る“慎重継投”で逃げ切った。これで首位を走るオリックスに1ゲーム差に迫った。

 鷹打線がリーグ屈指の右腕・金子の攻略に成功した。

 昨季は本拠地・ヤフオクドームで2戦2敗。8月21日の対戦では1安打完封を食らっている苦手投手でもある。そこでこの試合前、首脳陣は難敵攻略の作戦として“積極打法”を指示した。「一番やっかいな投手。球種が多く、どの球種でもカウントを取れるし勝負できる。いつも以上に積極的に、追い込まれる前に打っていかないといけない」(藤本打撃コーチ)

 序盤こそ攻めあぐねたが、1点を追いかける5回に円陣を組み、早いカウントから勝負するという指示を再確認。するとこの回、二死二塁の好機で、1番・本多が1ボール1ストライクからのチェンジアップを左中間へはじき返し、同点とする。さらに今宮も「つないでくれたチャンス。追い込まれたら負けるという気持ちでした」と初球を左前適時打し、勝ち越しに成功した。

 7回にも一死三塁から今宮が犠飛で追加点を挙げた。この日は4回までに8三振を喫するなど計11三振を喫したが、10安打を浴びせて金子に土をつけた。秋山監督は「金子の場合は球種が多い。早いカウントからストライクをとる球を振っていかないといけないからな」とニンマリだ。

 打線が“積極打法”で金子を攻略すれば、守っては指揮官の“慎重継投”で勝ち星をもぎ取った。1点リードした6回二死二塁の場面で左のT―岡田を打席に迎えると、それまで1失点に抑えていた先発の中田から2番手・森福にスイッチし、ピンチをしのいだ。その後も「相手はエースだからな。1点勝負でいかないと仕方ない。石橋を叩いていかないと」(秋山監督)と小刻みな継投で反撃を封じ、最後はサファテが締めた。

 開幕3連勝以降は一進一退が続いていたが、ロッテとの開幕カード以来の連勝となる2連勝。首位を走るオリックスまで1ゲーム差とした。これをきっかけに、ぶっちぎりVへ一気に上昇する。