＜巨人4-2広島（10日）＞　悔しさをグッと押し殺した。広島・篠田純平投手が10日の巨人戦（東京ドーム）で先発し、９安打３失点で６回途中で降板。今季初勝利を逃した。

　初回は三者凡退。２回は坂本に二死から初安打を許したが、後続を断ち切って得点圏に走者を進ませなかった。無難な立ち上がりと思われたものの、ほころびが見え始めたのは３回。アンダーソンに先制の中前適時打を浴び、４回には投手の菅野に二死から右前へ運ばれて追加点を与えた。

　それでも大崩れすることなく何とかリズムを保とうとしたが、２―２の同点から６回に内角のスライダーを坂本に左翼席へ勝ち越し弾を叩き込まれると一気に苦しくなった。結局、５回３分の２でベンチから降板指令を下された左腕。普段はポーカーフェースの表情は心なしか唇をかんでいるようにも見えた。

「スライダー、カーブ、チェンジアップを使ってボールを打たせることを意識したい」とは試合前の篠田の弁。巨人打線を相手に３失点で持ちこたえたとはいえ、課題とされていた制球力にはやや不安が残った。決め球が高めに浮いてしまうシーンが、ところどころで顔をのぞかせたのは気がかりだ。特にこの日、ルーキーの小林に喫した３安打は、すべて高めに浮いたストレートだった。

　今季の篠田は今までよりもテークバックが小さくなる投法を心がけており、それが打者からボールの出どころが分かりづらくなる利点を生んでいる。前回登板のＤｅＮＡ戦（４日・マツダ）では尻上がりに調子を上げて７回を無四球３安打１失点に抑えていることを考えれば、今季の“モデルチェンジ”は決して間違ってはいないはず。

　次回登板こそは「先発第６の男」の壁をぶち破る投球を期待したいところだ。