<阪神4-3DeNA9日)>阪神が本拠地・甲子園で今季初勝利。9日のDeNA戦を4―3で制した。光ったのは先発したドラフト6位ルーキー・岩崎優(22)だ。白星こそつかなかったものの、7回1失点と見事な投球内容。5回無失点で初勝利を挙げた4月2日の中日戦(京セラドーム)に続く好投で投壊状態にあるチームの救世主となりつつあるが、この裏で“藤浪効果”がささやかれている。

 4回一死無走者でブランコにソロアーチを浴びた岩崎だが、この1球を除けばDeNA打線を寄せ付けなかった。自らに白星はつかなかったものの、チームの本拠地今季初勝利の原動力となり「自分が投げた試合でチームが勝ったのがうれしい」と満足そうに話した。和田監督は「細心かつ大胆に持ち味を出した投球だった」と称賛。中西投手コーチも「十分だよ。次につながる」と喜んだ。

 そんな岩崎について、他球団スコアラーは「ローテーションが厄介なんだよ。前の日の投手と正反対だから」と悲鳴を上げている。この2試合、岩崎の前日は、いずれも藤浪が先発しているが「(前日の)藤浪の残像があるから、打者は岩崎に対して“あれ、この直球は遅いはずなのに伸びてくる”となっている」というのだ。

 この件については投手出身のあるOBも「高いリリースポイントから投げて制球がばらつく藤浪と、スリークオーター気味から低めを突く岩崎。藤浪は直球も150キロ以上でスピードガン通りの速球を投げ込むけど、岩崎は130キロ台前半の手前で伸びる直球を投げる。この違いが大きいのだろう」と話す。

 さらに阪神関係者は「前日に藤浪と対戦を終えて相手がホッとしている隙もあるのでは」とも。事実、この日の対戦前にDeNAの中畑監督は「(岩崎には)対応できるんじゃない? 怖さはない。藤浪みたいな」と漏らしていたが…。

 制球力と直球のキレは抜群、ルーキーらしからぬマウンドさばきも光る岩崎。“藤浪効果”も生かして、虎の救世主として定着できるか――。