<日本ハム5-2楽天(9日)> 楽天のドラフト1位ルーキー松井裕樹投手(18=桐光学園)が突然の乱調で4回途中で降板。待望のプロ初勝利を手にすることはできなかった。

 9日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ2度目の先発マウンドに立った松井裕は、立ち上がりは快調だった。初回、先頭の陽岱鋼を見逃し三振、続く杉谷を空振り三振に打ち取った。中前打された西川は、中田の打席の途中、けん制で刺した。

 2回は先頭の中田に中前打されたものの、ミランダ、小谷野、大引を3者連続で空振り三振。3回は早打ちに出たハム打線から5球で二死を取ると杉谷からこの試合で2個目の三振を奪った。

 3回までに6奪三振。絶好調といっていい投球内容だった。ところが4回に入ると、突然、直球が高めに浮き出す。西川、中田に連続四球。ミランダは三振に仕留めたが、嶋がパスボール。小谷野に四球を与え一死満塁から大引に126キロのチェンジアップを右越えに2点適時二塁打された。

 続く大野にこの日5個目の四球を与えたところで星野監督はたまらず飛び出し、審判に交代を告げた。

 森山投手コーチは「(札幌ドームのマウンドの)硬さや傾斜に少し戸惑っていたように思う」とかばったが、本人は「情けないです。4回に生命線のストレートが入らなくなり、マウンド上で修正することができませんでした。野手の方も中継ぎ投手の皆さんにも申し訳ないです」と肩を落とした。

 ドクターKの持ち味を発揮しながら、四球で自滅。初勝利を狙っていた松井裕にとっては悔いの残る登板となった。