<西武6-3ソフトバンク(9日)> ソフトバンクは9日、敵地西武ドームで西武と対戦し3―6で敗れた。この日先発の寺原は7回途中まで投げ5安打4失点。今季初登板だった2日の日本ハム戦に続いて今季2連敗。昨年から4連敗となった。相手先発の野上は序盤、四死球を連発するなどつけ込む隙は十分にあったはずだが、攻めきれなかった。7回には柳田の2号ソロで一時1点差としたが、頼みの中継ぎ陣も打たれ万事休す。これで貯金は再び「1」となった。

 寺原は2回、ランサムを四球で歩かせると、大崎には左前打。続く炭谷の遊ゴロを今宮が後逸し、この失策の間に先制を許した。さらに二盗を試みた炭谷が挟殺プレーとなった間に大崎が生還。これで2失点だ。3回には木村に初球のスライダーを左翼席に運ばれた。試合前「注意するのは先頭バッターとか初球」と話していた。その初球を見事に打たれてしまった。

 7回にも得点を許し結局、この日は7回途中4失点で降板。今季初登板の日本ハム戦に続いて、また勝つことができなかった。そんな寺原には球団内からも心配の声が上がっている。口元に口唇ヘルペスができているのだ。「よくできるんですよ」と本人は気にしていない様子だが球団関係者は「もともと繊細な性格だからね。プレッシャーもかかっているせいだろう」と心配する。というのも来週、一大記録のかかった試合が待っているからだ。

 次回の登板は16日の楽天戦(ヤフオクドーム)が濃厚。それに勝利すれば、工藤公康氏、巨人・杉内に続く3人目の13球団勝利となる。「ほんと大変ですよ。自分が一番モヤモヤしてます」と今季こそ記録達成に意欲を見せたが、西武戦で勢いをつけることはできなかった。

 この日、野上は2、3回の2イニングで計4死球を出すなどつけ込む隙は十分にあったが、結局攻めきれず、立ち直らせてしまった。

 打線もエンジンがかかったのは後半になってからだ。6回、先頭の李大浩が三塁線を破る二塁打で出塁すると、長谷川の右飛からタッチアップで三塁へ。さらに松田の右翼への犠飛で巨体を揺らしながら本塁へ猛ダッシュ。ようやく1点を返した。

 7回には柳田が野上の直球を右翼席に運んだ。ここのところ、なかなか安打が生まれずに苦しんでいた若鷹は5日の楽天戦以来の安打となった今季2号に「詰まったので入るとは思わなかった」と表情を和らげた。再び2点差とされた8回の攻撃では松田の適時打で1点を返し望みをつないだが、その裏に2点を奪われ勝負は決した。

 前日8日には松田の劇的な2ランで逆転勝ち。これで勢いに乗るかと思われたが…。すっきりしない戦いが続く鷹軍。そろそろこの状態から抜け出して“ぶっちぎりV”へ加速したいところだ。