藤浪を代えることができない阪神投手陣の事情

2014年04月10日 16時00分

ブランコに逆転満塁弾を許し、ベンチへ戻る藤浪(手前)

 阪神・藤浪晋太郎投手(19)が8日のDeNA戦(甲子園)に先発。4点リードの7回にブランコの逆転満塁本塁打を許すなど、一挙5失点で今季2敗目を喫した。和田監督は「(藤浪の)代え時が計れなかった。ベンチの責任だけど…」と“継投ミス”を悔やんだ。藤浪は前回登板の1日の中日戦も8回に4点を失っている。どうして藤浪を代えることができなかったのか――。阪神ベンチには交代をためらうワケがあった。

 

 最大の理由は藤浪への大きな期待だ。6回まで2安打無失点だった藤浪の投球数は83球。球団関係者は「投球数を考えればベンチは完投も視野に入れる状況。将来はエースになる素材。やはりチームが苦しい時に1人で投げ切って悪い流れを変えるような投手になってほしい、という期待がある。完投するためには7回、8回という最も苦しいイニングを乗り切らないといけない。ここを乗り越えてほしいという思いが強かった」と指摘する。

 

 リリーフ陣が不安定というチーム状況も藤浪続投を選択した要因になっている。和田監督が「中継ぎを立て直さないといけない」と繰り返すように、この日の試合前までの中継ぎ陣の防御率は7・03。このため首脳陣は「先発には7回まで頑張ってほしい。8回の1イニングを相手の打順を見ながら安藤、加藤や福原で何とか乗り切って9回の呉昇桓につなぐ」というゲームプランを立てていた。

 

 チーム関係者も「何とか7回は藤浪に投げ切ってほしいという考えが前提にあった。それに今の中継ぎ陣の調子と藤浪を比較した場合、何とか藤浪に頑張ってほしいという選択になる」と首脳陣の考えを代弁した。さらに、藤浪の対応力への信頼が今回は裏目に出た。藤浪は首脳陣から「調子が悪くても悪いなりに何とかできる投手」と評価されている。しかも、ベンチでは、この日は藤浪の状態を「尻上がりに調子を上げている」と分析。7回のピンチも何とか乗り切れるだろう、という判断につながった。

 

「7回がすべて。(本塁打は)低めに投げるつもりが甘く入ってしまった」と肩を落とした藤浪。さらなる成長のためにも、この衝撃的な逆転負けを糧にするしかない。