<阪神5-6DeNA(8日)> 阪神・藤浪が8日のDeNA戦(甲子園)で手中にしたはずの今季初勝利を逃してしまった。

 4点リードの7回表、二死走者なしから悪夢は始まった。連打で1点を失うと、左前打と四球で満塁。そして、ブランコに初球をはじき返された。打った瞬間に本塁打と分かる打球音。マウンドの藤浪は無情の白球がバックスクリーンに飛び込むのを見ているしかなかった。19歳右腕は「もったいなかったです」と二死走者なしからの5失点を悔やんだ。

 6連戦の初戦となることが多い毎週火曜日の先発を任される意味は十分に理解している。中継ぎ陣の負担を減らすためにも7回、8回までマウンドに立っていなければならない。そんな思いがこもった気迫の登板だった。初回から球速150キロを超える直球を連発。6回まで2安打無失点とDeNA打線を圧倒した。

 打線も5回に田上が右前打で出塁すると、上本が粘りに粘って四球。大和が左前適時打で先制と若い力で阪神からFA移籍した“因縁”の久保を攻略した。新助っ人のゴメスも阪神の外国人選手では最長となる開幕戦から10試合連続安打で藤浪を援護した。

 しかし、まさかの7回二死からの大乱調。前回登板も8回途中に乱れて4点を失っている。藤浪は未来のエースとなる素材。6回まで抑えてOKの投手ではない。2年目右腕は絶対に乗り越えなければいけない壁に直面している。