阪神の“投壊ストッパー”にジェフ・ウィリアムス駐米スカウト(41)が指名された。9試合を消化した7日現在でリーグワーストの66失点、防御率7・13と投手陣が崩壊。この緊急事態を打開する切り札として、かつて鉄壁リリーフトリオ・JFKの一員でリリーフ陣のリーダーとして活躍したウィリアムス氏に注目が集まっている。

 開幕4カード目でようやく本拠地・甲子園球場で戦うことができるとあって和田豊監督(51)は「腰を据えた戦いがしたい」と意気込んだ。

 3月28日の開幕戦でいきなり12失点を喫するなど9試合のうち2桁失点は早くも4試合。それでもリーグトップの62得点と好調な打線のおかげで何とか4勝5敗の借金1で踏みとどまっている。ただ、打線は水もの。指揮官も「点が取れているから試合になっているけど、いつまでも続くことじゃない。本来の“野球は投手”ということをもう一度、しっかり確立しないといけない」と一刻も早い投手陣再建の必要性を力説する。

 しかし、具体的な打開策となると「コロコロ選手を代えてしまうと、いつまでもチームが落ち着かない。それぞれが状態を上げてもらうしかない」(和田監督)と個々の奮起を促すのが精一杯。そんな中、球団内で熱視線が注がれているのがウィリアムス氏だ。虎の最強リリーフトリオの一人として2005年のリーグ優勝に貢献。藤川球児(現カブス)も「リリーフ陣のリーダーはウィリアムスだった」と絶大な信頼を置いていた。

 それだけに球団関係者は「闘志あふれる投球スタイルはチームを奮起させた。そして、ブルペンでのムード作りがとにかくうまかった。若い投手は勢いをもらってマウンドに行っていた。今は中継ぎ陣が自信を失っている状態。彼に来てもらって、ブルペンの重い空気を一変させてもらうのが一番、早い」と期待を寄せる。

 現在、ウィリアムス氏は自宅がある米アリゾナ州を拠点にスカウト活動を行っている。2年前にマートンが大不振に陥った時にも同じ駐米スカウトのアンディ・シーツ氏が相談役として緊急来日したこともある。このまま投手陣の不振が続けば、米国のウィリアムス氏への救援要請も検討される。