<広島2-1DeNA(4日)>広島は4日、延長11回の熱戦の末、梵の劇的な一発でDeNAにサヨナラ勝ちし、3連勝を飾った。勝利を決めたのは背番号6の一振りだったが、今季初先発だった篠田の力投が流れをつくったといっていい。テンポのいい投球でDeNAの強力打線を7回1失点。味方の援護がなく今季初白星は逃したが、先発ローテーション入りを猛アピールした。

 篠田がチャンスをものにした。初回一死一塁で梶谷を二ゴロ併殺打に取るとエンジン全開。1点リードの3回に二死二塁から石川の適時二塁打で同点とされたが、その後は無安打投球。7回には梶谷、ブランコ、筒香のクリーンアップを三者連続三振に仕留める圧巻の内容で復活をアピールした。

 過去には四球から自滅という失敗をしたこともあった。この日は「しっかりとゲームをつくれるようにしたい。制球をしっかりしたい」と話していたように、低めへ抜群の制球を見せた。最速142キロと110キロ台のカーブによる緩急をつけたピッチングも有効だった。

 昨季はオフの左ヒザ手術の影響で調子が上がらず、わずか1試合の登板で入団以来初めて0勝に終わった。大瀬良の加入で、これまでつけていた背番号「14」を奪われた。失敗すればあとがない。厳しい立場に追い込まれた。

 新たな背番号「21」で、二軍スタートとなった春季キャンプから猛アピール。結果を残して一軍切符をつかみ取った。同点の7回に代打を送られ勝ち星はお預けとなったが、篠田も「全球種でストライクを取れてよかった。オフを含め開幕してファームでも継続してやってきたことが今日はしっかり出せたと思う」と手応えを口にした。右腕揃いの先発ローテに左腕の篠田が加わってくれれば首脳陣としても心強いことは間違いない。

 エルドレッドを4番に据えた打線は初回、3番に回ったキラの2号ソロアーチで先制したが、その後は貧打に陥った。同点の8回無死一、三塁と絶好の場面でクリーンアップを迎えたが、キラ、エルドレッドが連続三振し、岩本が遊ゴロで無得点。9回も一死一、二塁とサヨナラのチャンスだったが、あと1本が出なかった。それでも最後は梵が値千金の一発を左翼席に突き刺し、チームは3連勝。悲願のV奪回へ、コイの勢いは加速する一方だ。