【ワシントンDC1日(日本時間2日)発】レッドソックスは昨季のワールドチャンピオンとしてホワイトハウスにオバマ大統領を表敬訪問した。クローザーとして貢献した上原浩治投手(38)も、チームメートとともに遠征先のボルティモアから白バイやパトカーに先導されたバスで約1時間かけて首都ワシントンDCに移動して優勝報告セレモニーに参加すると、大きなサプライズが待っていた。午前11時30分から始まったセレモニー。オバマ大統領が公式スピーチで「ビッグ・パピーはワールドシリーズMVPの活躍だった」とまず主砲のオルティスを称賛すると、脳裏に焼き付いている「コージ・ウエハラ」の投球を熱く語り始めた。

「補足的な選手として(レッドソックスと)サインした3人目のクローザー(実際は4人目)は、ワールドシリーズを4勝2敗で制した試合(第6戦)で、デービッド・ロス(捕手)のミットに代名詞であるスプリットを沈め、メジャーリーグのポストシーズン史上で最高の締めくくりを見せた。それにコージは毎試合後、ハッピーに見えたよね。(最後は)選手たちの上を飛び上がっていた」

 ホワイトハウス南側の芝生広場で、誰もがワールドシリーズ第6戦の最後のシーンをよみがえらせた。多くの選手は名前を呼ばれるだけだったが、上原についてはスピーチの中で最も長く言及。オバマ大統領の“MVP”級の扱いに、上原も「日本人の名前が呼ばれるってことはめったにないことだと思うので、すごくうれしかった」と、興奮気味に話した。

 それでも浮かれることはない。「(大統領とは)ほとんど話はしていない」と残念がった上原だったが「もうシーズンが始まっている。(世界一は)終わったこと。今年もケガなく1年やって、またチームがいい位置にいられたらいい」。2年連続世界一に向け、気持ちを切り替えている。