打っては13安打10点、投げては投手3人の完封リレーで阪神に快勝した中日。谷繁元信捕手兼任監督(43)は「8回に7点が入ったけど、結果的にそうなっただけ。6回に(先制)点を入れるまでしのぎながら我慢してきた。(先発の)山井は初登板にしては出だしが良かった。粘って投げていたね」。8回に飛び出した自身の今季初打点には「おまけ、おまけ」と言いながらも上機嫌だった。

 勝利の要因として、周囲は開幕連敗後の3月30日の広島戦(ナゴヤドーム)で谷繁監督が「捕手・谷繁」をスタメンから外したことを挙げる。「監督が決めたこと。勝ち負けにこだわって体を疲れさせてはいけない」(達川バッテリーコーチ)と今後の体調を考慮したスタメン落ちだったようだが、チーム関係者は「連敗スタートにもかかわらず休養を選択した。これが大きい」という。

「(谷繁監督が)日曜日の試合を休めば、月曜日は試合がないから2日間休むことができる。そうすれば火曜日からの5試合に全力で行ける。ベテランの谷繁の力を最大限生かすために、何年も前から首脳陣がやろうとしてきた。ただ、実際にはできなかった。負けが込んできた時に谷繁監督を外して若い捕手に任せる勇気がなかったんだ。それをやったのがすごい」(チーム関係者)

 火曜日のこの日は守っては好リード、打ってはタイムリーの活躍を見せた「捕手・谷繁」。連敗脱出の目先にとらわれず、144試合トータルで判断した指揮官の決定がまさに、次につながったというわけだ。