ソフトバンクで毎年恒例のイベント「鷹の祭典」(7月~)の詳細が25日に発表された。今季のテーマカラーは赤。開催されて以来初めて“使用済み”の色となるが、前回使用した2010年は奇跡の逆転Vを飾っており、縁起のいい色だ。3年ぶりの日本一を目指す今季は「王道」「ストロングスタイル」を追求してほしいと願う孫オーナーの意向を受け、チームは正統派カラーの“赤鷹軍団”となり、勝負の夏を勝ち抜く。

 ソフトバンクの恒例イベント「鷹の祭典」のテーマカラーが「カチドキレッド2014」と名付けられた鮮やかな赤に決まった。これで7月1日から27日の夏場に開催されるホームゲーム全試合で選手が着用して戦う。終盤戦で再度着用する可能性もあるという。

 昨季の紫、一昨季の緑など、これまでは「一度も使ってない色」をテーマカラーとしてきた。しかし、今年は違う。最終的に6種類ほどの色が選択肢に残った中で、奇跡のVを飾った2010年の「カチドキレッド」のリメーク版が選ばれた。

 2010年は7月の着用期間中にゲンがよく、シーズン終盤戦でもは球団がファンに「お手持ちの赤いアイテムを身に着けて参戦しましょう」と呼びかけ、マジック4だった首位・西武に3タテを食らわせ、残り6試合で3・5ゲーム差を逆転するという奇跡の逆転優勝を飾った。

 今季は「絶対優勝」を掲げて、オフに空前絶後の補強を敢行した。それだけに「勝つという今年のイメージにはこれかなということで決まりました」(球団関係者)というわけだ。

 もっとも、理由はそれだけではない。正統派カラーの赤に決まった理由には、孫オーナーの意向も影響していた。オフの補強からも分かるように、今季の孫オーナーには例年以上に「絶対勝つシーズン」という思いが強く、営業を含めた球団全体のスタンスとして「王道で行くように」との方針があるという。

 これまで毎年のようにテーマカラーを変えてきたことで、営業サイドには「なかなか(使える)色が残っていない」との悩みがあった。そんななかで奇をてらった“変化球”のニューカラーよりも直球勝負。戦隊モノでもリーダーの色となることが多い“ストロングスタイル”の赤となった。

 この日、ヤフオクドームの施設内にある鷹観音で必勝祈願を終えた王球団会長は「とにかく油断大敵。オープン戦は調整だから関係ない」と気を引き締めた。圧倒的な強さが期待される2014年シーズン。勝負の夏に躍動する“赤鷹軍団”にも期待だ。