大補強を敢行して3年ぶりのV奪回を目指すソフトバンクの開幕戦略が20日、固まった。

 今日21日の広島戦(ヤフオクドーム)に勝利すれば、1970年以降の日本記録に並ぶオープン戦12連勝。チーム打率、チーム防御率、本塁打数、盗塁数など、全ての数字が12球団トップだ。この勢いを、何としてでもシーズンに持ち込みたい。そのために秋山監督が採用するのが“フレキシブル起用”だ。

 まずは打線。首脳陣はオープン戦の序盤から開幕オーダーを意識した形でスタメンを組んだが、唯一、頻繁に入れ替えたのが1番と9番だった。「1番・中村、9番・本多」とするオーダーと、逆に「1番・本多、9番・中村」のオーダーで、当初は決着させるつもりだった。しかし、足の使える本多と出塁率が高い中村の1番争いは双方が良さを発揮。いずれのオーダーでも打線がつながったことから、小川ヘッドコーチは「とりあえずは固定しない。決めるよさもあると思うが、相性とか状態を見て組み替えていくことになる。(左の先発対策として1度だけ試した)1番・今宮というのもあるかもしれないしね」という。

 投手陣も同様だ。先発ローテーションは既に固まっており8、9回を任せる投手もサファテと五十嵐にする方針だが、7回を担当させるピッチャーは「みんないいからね。最初からカッチリと決めないほうがいい」(小川ヘッドコーチ)。岡島、森福、柳瀬、千賀と盤石な投球を続けているリリーフ陣を回して“勝利の方程式”を組み立てていくことになる。

 投打いずれもが圧巻の出来栄えを見せているソフトバンク。現在の流れそのままに、開幕へ突入していくつもりだ。