3・28開幕(対広島、ナゴヤドーム)を前に、中日ナインがこんなことを言ってピリピリしている。「ウチの開幕戦の観客がSKE48のコンサートより少なかったら、しゃれにならない」と。

 中日と同じ名古屋を本拠地にするSKEは2月1、2日にナゴヤドームで初の単独コンサートを開催。2日間とも3万3000人の観客が詰め掛けた。ゲスト出演した中日OBの山崎武司氏も「応援がすごかった。ドーム内に一体感があった」と話すなど大盛況だった。これに対して中日は開幕戦チケットの売り上げに苦戦。数年前までなら発売即ソールドアウトだったが、今年は、三塁側はガラガラでホームの一塁側内野席さえまだ買える状況となっている。これにナインは危機感いっぱいなのだ。

 これまで名古屋では中日が常に話題の中心だった。しかし、松井珠理奈、松井玲奈のW松井という二枚看板がいるSKEに比べ、現在の中日は誰が4番で誰がエースなのか、名古屋人ですらすぐに答えられないくらい存在感が薄れつつある。コンサートと野球の試合を単純に比較することはできないとはいえ、谷繁新監督の船出となる開幕戦の観客動員がSKEを大きく下回ることになれば格好が悪い。

 ナインもそれを気にしており、ある選手は開幕戦チケット売り上げアップのために「開幕までもう間もないけど、オープン戦とはいえ残り試合にできるだけ内容のある勝ち方を見せて、今季に期待してもらえるようにしないといけない」と語気を強める。別の選手も「やっぱり名古屋といえばSKEでもグランパスでもなくドラゴンズじゃないと」ときっぱりだ。

 球団関係者は「さすがに3万人を切ることはないだろう。昨年の開幕戦の観客動員(3万3824人)に届くかどうかになるのでは」と話す。SKEの3万3000人超えは微妙なところだが、どうなるか――。