【アリゾナ州サプライズ10日(日本時間11日)発】レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)はレッズとのオープン戦に先発して5回を投げ、5安打2失点、1三振で2勝目を挙げた。チームは8―2で勝った。ダルビッシュらしからぬ投球だったが、この日も試していた。

 オープン戦3度目の先発のダルビッシュ。前回の4日(同5日)のエンゼルス戦は同地区のライバル相手ということで、手の内を隠して3回を3安打2失点。試合後、「種をまこうとしたつもりだったけど、いい感じで打たれ、いいイメージを持たれてしまったのではとすごく不安」と答えたものの、表情には笑みを浮かべていた。収穫もあったようだ。

 この日は本番モードでマウンドに上がった。初回は先頭打者・ハミルトンをカウント3―2からの6球目、128キロのスライダーで見逃し三振。2番・コザートはカウント2―1からフォーシームで右飛、3番・ブルースは初球のフォーシームで二ゴロとわずか12球で片付けた。2回は11球で、3回も11球で3回連続三者凡退と最高のスタートを切った。

 しかし、4回に先頭のハミルトンがバント安打で出塁。一死後、3番・ブルースに右中間二塁打を打たれ、一塁走者が一気に生還した。

 5回は二死後、ネルソンに初球を左前打され、サンティアゴにも初球を捉えられて右中間二塁打され失点した。

 5回で63球と球数は少なかったものの、初球を狙われるなどどことなく淡泊な印象だったが、試合後、ダルビッシュはこう種を明かした。

「初球から打たせにかかるような投球をしたいと思って、きょうはやった。シーズンに入ってバリエーション(の一つ)になってきたら面白くなる」

 この試合では打たせることを試していたわけだ。メジャーを代表する右腕と評価されるダルビッシュ。オープン戦はシーズンへ向けてテストを繰り返している。まだまだ成長を続ける。