【楽天、巨人を知る男 朝井秀樹の「おじゃまします」】

 どうも、アサイです! 今回はリーグ3連覇を狙う巨人におじゃましました。

 僕が今回注目したのは、勇人(坂本)です。昨季は打率2割6分5厘、54打点、12本塁打と不振に苦しみ、原監督から「悪ければレギュラーを外す!」と実力至上主義の中でも、最もハッパをかけられている選手といえるでしょう。

 早速、声をかけてみると苦笑交じりにこう答えてくれました。

「正直、各方面からいろいろな声は聞こえてきますが、言われすぎていて…。とにかく自分のことを精一杯やるぐらいしか、頭にない。それでダメだったら仕方がない」

 キーマンに指名されたがゆえの苦悩も感じられました。では、そんな勇人を周囲はどう見ているのでしょうか。

 新任の清水打撃コーチはこんな話をしてくれました。「若いころからレギュラーで出ているから(昨年の成績で)悔しい思いがあるのは当然。ただ、悔しい思いがあるからこそ、目の色が変わっているよね」。悔しさをバネに逆襲を予感させるというのです。

 さらに中日から加入した井端さんの存在も大きいと見るのは川相ヘッドです。「彼があの年(38歳)でプロの一線でできているのは、何かがあるから。練習量もすごくあるから、あれを見ていれば、若手は手を抜けない。坂本はいろいろ勉強になるだろうし、いい影響を与えてくれると思う」

 余談になりますが、川相ヘッド自身が2004年に巨人から中日に加入した際に、当時、若手だった井端さんが非常に貪欲に学ぶ姿勢を見せたそうです。「興味を持たないと吸収できないから」とは当時を振り返ってのヘッドの言葉。裏を返せば、勇人にも若き日の井端さんのような姿勢を求めているのかなと感じました。

 いずれにせよ、勇人の復活なくして、チームの連覇も容易ではありません。7日の試合(オリックス戦)は4打数2安打と、復調の兆しも見えてきました。周囲からの重圧はありますが、彼ならばしっかりと結果を残してくれると信じています。 (本紙評論家)