「戦国ジャイアンツ」のカギを握る男たちを直撃する本紙独占インタビュー第3弾は、西武からFA移籍し、今季から巨人でプレーする片岡治大内野手(31)。球界屈指のスピードスターは、巨人という球団に所属することのプレッシャーなど、どう感じているのか。近年はケガに泣かされてきたが、復活を目指す片岡のホンネとは――。

 ――新天地でのキャンプを振り返ってどうか

 片岡:個人的にはまずは「ケガをしないように」ということがテーマでした。どうしても張り切っちゃう部分があるので。

 ――内野のポジションを争うライバルたちは飛ばしている

 片岡:だからより一層抑えるようにしているんです。慎重に。調整が遅れるかもしれないですけど、この3年間ケガしている経験を生かさないと。同じことを繰り返しても仕方がない。自分を抑えるのに必死ですね。

 ――巨人と西武との違いは感じるか

 片岡:雰囲気はみんな明るい。練習もすごくやるし。外から見ていたイメージと少し違います。

 ――注目度も違う

 片岡:常に見られているって感じですね。周りに人がいすぎて、なんか緊張しますよね。疲れますよ…。常に見られているから、練習が終わったら部屋にこもりたくなる感じ。「これがジャイアンツか」っていうね。さすがっていうところが多いですよ。

 ――チームメートとの関わりは

 片岡:まだ気を使う部分があるけど、実戦に入るにつれてコミュニケーションを取らないと、いいプレーは生まれない。各プレーの確認をしっかりしたいと思います。

 ――2学年下の長野からは「ヤス」と呼ばれていると言っていたが

 片岡:ああ、チョーさんね。いい意味で、噂通りの男でしたよ(ニヤリ)。気遣い屋で周りをよく見ている。いい意味で力が抜けている選手だと思いますね。西武にはいないタイプ。

 ――1、2番コンビを組む可能性がある

 片岡:彼は一流プレーヤー。いろいろ学びながらやっていきたいです。ただ…。「先輩だよ」っていうね。“軸”はしっかりさせながら、ね(ニヤリ)。

 ――いいコンビになりそうですね。では原監督のイメージは

 片岡:ミーティングでも選手を鼓舞する言葉をキザっぽく、独特な表現で使うイメージですね。かっこよさを感じました。いろいろな野球をやる監督だと思う。準備がすごく大事だなと感じています。

 ――現役時代の原監督と同じ背番号「8」をつけることになった

<次ページ>今季は「足」も意識していきますよ

 ――西武時代は他球団から「片岡がいる西武は強い」と恐れられた

 片岡:へえ、そうなんですか。客観的に見られないですからね。僕は性格が暗めなので、西武のようにやるにはまだ時間がかかるかも。でも、やっぱり理想は西武のように盛り上げていきたいなと思っているんですよ。

 ――今はおとなしめ

 片岡:西武は若いチームだったので「僕らがなんとかしないと」というのがあった。でも、巨人は“支柱”がいるし、ベテランの方もいっぱいいる。まずはこの間に入れればいいかな、と思いますけど。

 ――足にも期待がかかる

 片岡:足はもちろん武器。仕掛けていきたい。でも、昔みたいに勢いよく、なんでもかんでもスタート切ってやるっていう意欲はちょっとは減っているんですよ。

 ――どういうことか

 片岡:変に考えすぎちゃったり、これでアウトになったら…とか考えてしまっている。年齢を重ねて、体が思うように動かなくなってきたのもあるけど、より確率のいいときに走ろうっていう。省エネみたいな感じ。

 ――スピードスターゆえの悩みですね。では、巨人でも抑えめに…

 片岡:いや! 自分でも最近は貪欲さがないかなと思っている。だからこそ、今季はちょっと意識しながらいきます。環境も変わりましたし。

 ――おおっ、では今季は“走れるヤス”の復活に期待していいですか

 片岡:出るからには、先の塁を狙うのは当然。常に相手にプレッシャーをかけていきたい。ただ、ケガをしたら意味がない。体と相談しながらやっていきますよ。