調子はうなぎ上りのようだ。巨人・杉内俊哉投手(33)が5日の日本ハム戦(札幌ドーム)に先発し、4回1失点。初回に1点を失ったものの回が進むごとにテンポを上げ、順調な仕上がりをアピールした。

 特に光ったのは直球のキレ。杉内自身も「去年とは全然違う。球の質が良かった」と手応えを口にし、周囲の評価も上々だった。球速は140キロに満たない程度だが、相手打者がタイミングを合わせて打ちにいっても、空振りやファウルになってしまうのが杉内の好調のバロメーター。左肩に不安を抱えていた昨季とは違い、今季は自主トレから十分な投げ込みを行ってきた成果が表れている。

 その左腕については、パ・リーグ時代にかつてしのぎを削った片岡も「今年は良いときの杉内さんに戻っている」と断言。片岡は西武のリードオフマンとして、鷹のエースだった杉内とは何度も対戦を重ねてきた。「結構打っている印象があるんですよ」と言う通り、2006年から昨季までの8年間で83打数23安打、打率2割7分7厘。昨季の交流戦でも2打数2安打と得意にしてきた。

 ただし、そんな“杉内キラー”でも「調子が良いときの杉内さんは『絶対に打てない』という雰囲気がある」という。そして、こうも続けた。

「腕を振られて、胸元をドーンって突かれると『怖っ!』という感じ。正直去年は良く見えなかったけれど、今年は真っすぐがキレているから、スライダーも生きている」

 かつての天敵が、ここまで太鼓判を押すのは杉内にとって好材料か。