中日からFA宣言し、地元福岡のソフトバンクに加入した中田が1日、楽天とのオープン戦に先発し3回を1安打無失点。上々の本拠地デビューを飾った。


 初回は岡島、後藤、銀次をわずか4球で料理。2、3回はそれぞれ2奪三振を奪った。2回。ユーキリスを簡単に追い込んだ後、3球目はフォークボールが抜けて甘く入った。右前打とされたが「やってはいけないこと」とすぐさま反省。二死後の松井稼はきっちりとフォークボールを低めへ制球し、空振り三振。試合中の修正能力も見せた。


 直球は140キロ前後の球速以上に力強さがあり、中田も「打者の反応をみると、甘いところ(への速球)もファウルになっていた」と納得の表情。この日、球場には母親や知人らが観戦に訪れた。中田は「緊張するかなと思ったけど、全くなかったです。いつも通り投げられた」と笑った。


 加藤投手コーチはこの日の中田について「非常にテンポがいい。精度やコントロールももっと上がっていくと思うが、守りからリズムが作れていた」。秋山監督も「投げっぷりがいい。あとはイニングを伸ばしていければ」と評価する。有力視されている先発ローテーション入りに一歩前進した形だが、本人は「ストレートはばらついていた。(逆球などは)シーズン中は危ない球なので」と反省も忘れなかった。


 中田の次回登板は7日の横浜戦が予定されている。郭投手コーチは「中6日くらいで投げさせていきたい。次は60球くらいね」。開幕に向け、徐々にペースを上げていく方針。この調子でいけば、今季、日本一を目指すチームの中も強い存在感を発揮しそうだ。