オリックス・糸井嘉男外野手(32)が28日、2次キャンプ地の高知から単身、帰阪した。

 糸井は2月18日に右脇腹痛でリタイア。打撃練習にストップをかけられ、ウエートや体幹中心のトレーニングなど別メニュー調整を続けていた。絶対的な攻守の要がろくにキャンプでバットを振れず、この時期に実戦どころか本隊合流のメドも立っていないという異常事態だ。

 だが、チーム内に危機感はない。それどころか楽観する見方がほとんど。「昔、石嶺さん(前打撃コーチ)なんかキャンプ中にずっと入院していたのにシーズンで3割打った。ウチの金子だって、昨年開幕前に(右ヒジ痛などで)ろくに投げていなかったのに15勝した。キャンプでバットを振ってなくても糸井みたいに実績と力のある選手なら関係ないよ。それにほっといたら、いつまでも練習する“バット振りたい病”だったから、初めてのスロー調整がいい経験になったはず」とチーム関係者。

 別の関係者も「糸井はフタを開けると絶対に打つよ。あのクラスなら相手よりも自分の体をしっかりつくることの方が大事。オープン戦なんてラスト3試合くらいでいいだろうし、ぶっつけ本番でもかまわないよ。まだ開幕まで1か月もある。何の心配もいらない」と、きっぱりだ。

 当の糸井も「ストレス? たまってますよ。こんな調整は初めて」と言いながらも「でも(脇腹は)使うところなんでね。シーズンに入ったら、やりますよ。やりたいことができなくて残念だったけど、これをプラスにできるように頑張ります。待っててください」と笑顔で話す。超人と呼ばれる男にはこれくらいのケガは何てことはない!?