巨人・原監督が「順調に消化できた」とキャンプを総括した。故障者が続出したことも「何人か故障者が出ているが、想定内というところでしょう。野手、投手とも頑張っている連中を見ていきたい」。グラウンドで輪になり、手締めに参加した選手たちの顔には、充実の色が浮かんでいた。

 とはいえ、確かにメニューは順調にこなすことができたが、今年ほど故障者が続出したことも、近年ないことだ。宮崎では澤村が右肩不安、今村が左肩痛で離脱。内海が左すね裂傷を負い、菅野が背中、杉内が腰の張りを訴えた。沖縄へ移ると、山口が左肩痛を発症。阿部がふくらはぎの打撲で後半の実戦3試合を欠場し、マシソンも体調不良で練習を欠席した。亀井は右人さし指を骨折し、開幕絶望となった。

 すでに通常メニューに復帰している選手は多いが、中には“軽症”では片づけられない選手たちもいる。あるスタッフは「澤村と今村のけがは軽く見たらいけない。二軍で投球を開始しているようだけど、再合流を急いで焦っているとしか思えない。周囲が止めないと、もっと悪くする心配もある」と危惧している。

 また大黒柱の阿部について、川相ヘッドコーチは「3日間で調整しろと伝えてある。本人も『出られる』と言っているので心配はしていない」と3月1日のヤクルト戦(東京ドーム)に出場させる考えを示した。だがこれにも「阿部のようなベテランに、今の時期に無理をさせる理由がわからない」と首をかしげる関係者が続出している。

 原監督は「故障した者のことを考えている余裕はない」と意に介していないが、それならば復帰を焦らす必要もないように思えるが…。

 巨大戦力を誇ってセ・リーグ大本命の巨人だが、現時点の不安はやはり故障者。ここからさらに脱落する選手が増えるようだと、ライバルにスキを与えることになる。