やはり守らせたほうがいいのではないか。日本ハム・大谷翔平投手(19)が26日、今キャンプ初めて外野の守備練習に参加した。

 右翼の守備位置についてノックなどを行った大谷は、キャンプ初とは思えない打球判断や距離の長い三塁への送球でレーザービームを連発。強肩が売りで現在、右翼挑戦中のドラフト3位ルーキー・岡大海(ひろみ)内野手(22=明大)の目を丸くさせた。大谷は「次のクールで行くよ、と言われていたので驚きはなかった。打球判断や連係プレーは一人ではできないので」とニヤリ。これまでの投手主体調整とは違う新鮮な練習に躍動した。

 栗山監督は「勝つためにチームにとって最適なら」と吉川の先発が決まっている3・28開幕オリックス戦でのスタメン野手起用に含みを持たせたが、今季の大谷起用法に原則「守り」はない。大塚外野守備走塁コーチが「今年の外野の選択肢に翔平と(中田)翔は入っていない」と断言するように三塁にコンバートされた中田とともに大谷は投手に軸足を移す。

 よほどの緊急事態でない限り、中6日の先発ローテーションの中で登板3、4日目に指名打者での出場がルーティンとなる。他球団にとっては2年連続ゴールデングラブの中堅・陽の両翼に強肩の大谷、中田が収まる布陣は脅威だった。

 あるライバル球団の007は「オリックスに移った糸井とハムの3人はリーグを代表する外野手。特に大谷はあの肩があるから進塁を抑止していた部分がある。それを使わないなんてありがたい限り」と感謝するほどだ。

 大谷の投手主体起用、中田の三塁コンバートは球団的には「札幌移転11年目の今年から先の10年、チームが常に優勝争いをしていくために必要な改革」(栗山監督)。だが、今季に限れば「守り勝つ野球への回帰」を掲げる日本ハムの外野布陣は「戦力ダウン」と認識されて仕方ないようだ。