中日のセットアッパー・浅尾拓也(29)の調整が遅れている。他の投手が練習試合などの実戦で投げ始めている中で、ただ1人ここまでシート打撃も打撃投手としての登板もなし。当初は20日に予定されていたシート打撃(雨天中止)の登板も「体の状態をコーチに相談して(シート打撃登板の)時間を空けてもらいました」と休み明けの25日にずれ込んだ。

 投手王国の復活へのキーマンの一人でもある浅尾だけに何とも気になるスローな調整ぶりだが、周囲は不安になるどころかむしろ“大歓迎”している。「これまでの浅尾はキャンプでとにかく投げまくっていた。調子が悪いときなど納得するまで投げるからこっちがひやひやしていた。実際にそうしたことが故障につながったと思う。でも今年はとても慎重。球数も最初から50球程度と決めたら調子が悪くてもそれ以上は放らない。フォームのバランスが崩れそうになったら思い切り腕を振るのをやめる。とても大人になっている」(チーム関係者)

 オフには「壊れてもいい」と発言して周囲をやきもきさせたが、最近では「故障したら終わりなので」と180度考え方をシフトチェンジ。調整の遅れは慎重すぎるぐらい慎重にやっているからこそだろう。「焦り? まだまだ時間はありますから」と浅尾。その顔は確かに悲壮感などみじんもなく自信たっぷりだが、果たしてどうなるか…。