18日、練習試合で宿敵・巨人に12―3で圧勝した谷繁元信捕手兼任監督(43)率いる新生・中日。

 初回は二死一塁からルナの左前打で荒木が一気に三塁を陥れるスキのない走塁をきっかけに先制。3回には5連打を含む8安打で7得点を挙げ、4回は新外国人のアレクシス・ゴメス外野手(35=前米独立リーグ)が対外試合で初の一発を放った。終わってみれば18安打12得点と重量巨人打線のお株を奪う猛攻での白星だ。

 谷繁監督は巨人戦については「あまり意識はしなかった。これがシーズンの1勝になるなら気にするけど」とサラリ。「一貫して言っているように秋からやろうとしていることをグラウンドで表現してくれた」と選手の動きに満足そうだった。これで韓国プロ野球・KIA戦に続き、対外試合2連勝。「なかなか最初は勝てない監督が多いなかで練習試合とはいえ大したもの。持ってるんじゃない」と周囲の青年監督への評価はうなぎ上りだ。

 ただし1点だけ、試合前、谷繁監督が巨人・原監督にあいさつに行った際、裏の通路から監督室を訪ねたことに「できればグラウンドを通って行ってほしかった」(チーム関係者)との声が出ている。「監督自身に他意はないだろうけど、裏から選手のようにあいさつでは格下に見られかねない。ただでさえ、監督は若いからね。カメラマンを引き連れてグラウンドを通って行けば堂々としているし、絵にもなった」というのだ。

 谷繁監督は采配だけではなく“魅せる指揮官”にもなれる人材と周囲は見ている。だからこその“注文”。常にいろんな角度から見られている監督はどんな時も気が抜けない?